先輩からのメッセージ
- 看護師、看護補助者の教育体制を整えることで、10年、20年後の稲毛病院の明るい未来を実現したい。
-
腎臓内科病棟師長兼透析センター師長S.A
前職のソフトウエアの開発から転身。看護学校で勉強後、大学病院勤務を経て2010年に稲毛病院に入職。2016年より現職。
人の役にたつ仕事を と、30歳過ぎて看護師に転身。
看護師になる前はソフトウエアの開発の仕事をしていました。仕事自体は面白かったのですが、深夜の勤務や、1日中パソコンの前で作業する事に、だんだんと疑問を感じるようになりました。1人目の子供を出産したのを機に、人のために役に立つ仕事に就きたいと思うようになり、看護学校に入り直しました。最初は療養型に勤めて、もっと勉強したいと大学病院に入り直したのが32歳の時でした。同世代の新人もいなければ、先輩看護師も年下の方々で、仕事も忙しく夜は9時〜10時まで働くのが当たり前、翌朝6時には家を出なくてはいけないという生活でした。そういう状況で、職場に適応するのが難しくなることが増え、このままでは家庭が継続できないと危機感を感じ、残業の少ない稲毛病院に入職しました。今は遅くても6時には帰れていますし、入職後に産休・育休を取って復帰し、小学校に入ったばかりの下の子を育てながら、主任、師長になりました。もちろん職場の環境や周りのサポートがあってのことですが、お互い様というところで、仕事とプライベートの両立を実現できています。
「あなたでよかった」のご家族の言葉が嬉しい。
新人の頃、退院の時やお看取りの時に「あなたが担当でよかった」と言っていただいたことが印象的で、すごくやりがいを感じました。看護師をやっていて辛かったことや、辞めたいと思うことはいっぱいあったのですが、そういう時はその言葉を思い出します。看取りは非常にデリケートで神秘的な部分がありますが、私は「私を選んでくれてありがとう」と思います。私の勤務帯でお亡くなりになることは「私を選んでくれたんだな」と、ふと思う時があるのです。
師長となった今は、すごく忙しい時にスタッフがお互いに声を掛け合いながら、生き生きと働いている姿や、仕事を続けるのは難しいかもしれないと思った新人の看護師が、周りのサポートを受けながら少しずつ成長している姿が見られる時などに、やりがいを感じます。
今のような教育体制が整う前は、みんなで育てていく風土があまりなかったので、新しく入ってきた人を巻き込んで、みんなが成長していく姿を見られるのが、すごく嬉しいです。
スタッフの「困った」や「インシデント」に業務改善のヒントがある。
スタッフが安心して長く働ける職場作り、入職したスタッフをみんなで育てる風土作りを念頭に置いて環境整備や業務改善を行なっていますが、その際に大切にしているのがスタッフの「不安」や「困った」の声と、事故には至らなかったミスである「インシデント」です。その中に業務改善のヒントが隠されていると思います。まずは現場に入って何が起こっているのかを確認して、スタッフから丁寧にヒアリングします。問題点はどこか、再現性はあるかなどを様々な角度から検討して、働きかける対象のキーマンを明確にした上で改善に入ります。
自分の部署で言えば、昨年の4月から教育改革を始めて、今やっと形になってきました。それを病院全体に持ち込むよう、教育委員会を立ち上げようとしています。既卒の看護師の教育体制を整えてから、新卒の看護師を採用できるような体制づくりが、私の一番やりたいことです。10年先、20年先も稲毛病院が継続・発展していける、明るい未来を持つために、新卒の看護師を入職させて育てることは大きな意味があると思います。
新たに入職される方をみんなで育てる雰囲気があります。
看護補助者の教育改革も始動しています。チェックリストを作りスケジューリングをして、フィードバックをもらいながら、看護師と連携して働ける環境整備を、今年度はやっていこうと思っています。例えばオムツ交換は看護補助者が中心にやっていますが、排泄というとても大切な情報に異変があったときに知らせてもらうことで、その後の看護に繋がります。同じ職場で働くスタッフとして連携していけたらと思います。稲毛病院はまだまだ発展途上ですが、若く柔軟な考えを持つ院長、親身になって話を聞いてくれる看護部長、副看護部長を中心に、みんなで意見を出し合いながらいい環境にすることができる、大きな可能性のある病院です。私も微力ながら、新しく入職した方をみんなで育てるという雰囲気づくりを進めていきます。